例の東京都条例案ですが、都議会の多数を占める民主党が反対に回るという事で、否決される見通しが強まり、廃案を避ける為に自民党、公明党が修正案を提出するという流れになったようです。
で、どこをどういう風に修正したか?ですが、「非実在青少年」を「描写された青少年」に、「青少年性的視覚描写物」を「青少年をみだりに性欲の対象として扱う図書類」に変更したとの事。
また、附則で「条例施行3年経過後に検討の上、必要な措置を講じる」という規定を設けるようです。
この修正案を見るに、自民党、公明党はこの条例案が何故反対されているか理解出来ていないようです。
または、理解出来ているが、そこへの追求を躱す為にあえて見当違いな修正案を出してきているのでしょう。
それに、この修正案を見ると、反対派の意見に耳を傾けて譲歩するというよりも、より質の悪い方向に誘導しようという意図が見えてくる気がしてなりません。
「非実在青少年」を「描写された青少年」に修正したという事ですが、はっきり言って文章の意味に何も違いは無いでしょう。
「非実在青少年」という言葉が、否定的な意味で有名になってしまった為に批判を避けようとして名前だけを変えたようにしか思えません。
非実在=存在しない、それなのに何故規制する必要があるのか?という当然の疑問に答えるのが余程大変だったみたいです。
「青少年性的視覚描写物」から「青少年をみだりに性欲の対象として扱う図書類」への変更も殆ど何も変わっていないと思います。
むしろ、視覚描写物という括りが無い分、対象が広がるという解釈さえ出来る気がします。
相も変わらず、曖昧極まる定義で、対象とするかどうかの判断は都のお偉いさん方の独断と偏見のみに依存するという問題点がそのままになっています。
自公側は表現の自由を侵害するという反対意見に対する対応として、3年経過後に必要な処置を検討するという附則を設けるという説明をしているようですが、これは完全に逆だろうと思います。
この手の規制法案が一度可決されてしまってから、後で調査、現実に即していないから規制を緩めましょう!なんて展開はまずありえません。3年後に必要な処置を検討した時、起こりうるアクションは、現状維持か更なる規制強化かの2択しかありません。
要するに、こんな附則を付けた所で、更なる規制強化の口実を与えるだけなので当然賛成出来る内容ではありません。
こんなまったく意味の無い修正案等を作る前に、
・子供に見せないようにするだけなら、現行法の範囲内で対応可能であるはずで、何故規制強化する必要があるのか?
・都の解答(しずかちゃんのお風呂シーンがetc.)が本当に目指す姿なら、何故もっと限定した条文にしないのか?
・条令案を審議する立場である議員に対してもパブリックコメントをまともに開示しなかったのは何故か?
・被害者の存在しない創作物に対し、何故規制する必要があるのか?
・創作物の規制強化等を行った国々の性犯罪率が増加したという統計データが存在するが、どう説明するのか?
この辺の質問に答えて欲しい所です。
こういった無意味な規制を実際に行う場合、当然有害図書であるかどうかを判別する組織が作られ、審査するという名目で無駄な税金が使われる事になるでしょう。
本気で、児童ポルノ被害にあった児童を助けるつもりがあるのなら、児童の保護や、精神的なケアを行う施策にこそお金を使って欲しいものです。
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実在する実際に被害に遭っている子どもたちを助けるという名目をすっかり忘れていますな。
どうした? 助ける気ゼロか?
マンガが無くなればこの世から性犯罪が無くなる。
アニメが無くなれば戦争も無くなる。
ゲームさえ無ければ人殺しなんて起こらない。
もしかして本気でこんなこと考えてるのかな?
自分が気に入らないから規制してしまえ!と思っている人達と、利権や打算で動いている人達が大多数でしょう。
本当に子供を助けようとして動いている人は、極一部でしかないと思います。
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