東京都青少年健全育成条例の改正案が、12月の都議会に提出されるという事で、あちこちで議論になっています。 6月の都議会で否決されてから、まだ半年しか経っておらず、その間民意を問うパブリックコメント等が行なわれたわけでもなく、まともな修正もされないままの再提出には怒りを通り越して呆れ果てるばかりです。 以下、公開された改正案のおかしい点について挙げていきます。 まず、不健全図書の指定基準について。 漫画、アニメーションその他の画像(実写を除く。)とあります。何故、実写は対象にならないのでしょうか。そもそも規制派の論理では、何らかの創作物、表現物を見る事により、青少年に悪影響が出るという話であったはずで、そこに実写かどうかで区別する必要はないはずです。アニメや漫画は悪影響を与える恐れがあるが、実写にはそれが無い等という荒唐無稽な理論を展開するつもりなのでしょうか? 実写を除くとしたのは、少しでも反対意見を減らし、改正案を成立させる事を目的としたものなのでは?という邪推もしたくなります。もし本当にそうなら、姑息極まりない話ですが。 また、非実在青少年という言葉を削除する事に躍起になったのか知りませんが、刑罰法規に触れる行為を不当に賛美し又は誇張するように、描写し又は表現する物を不健全図書の対象にするとあります。 もう阿呆かと……法律に触れる描写がある作品なんてそれこそ星の数程あるわけですよ。逆にまったく法律に反する描写が無い作品の方が探す方が難しい。戦闘シーンがある作品なら傷害ですし、ちょこっとパンチラしただけでも公然猥褻その他諸々……。推理物とかサスペンスとか事件ばっかりですしね。 不当に賛美し又は誇張するようにという文言が付いていますが、こんなものはまったく役に立ちません。どのような描写をしたら賛美したのか、誇張したのか一体誰が判断するのか。何も明記されていないからです。もし改正案が通ってしまえば、運用する側の胸先三寸でどうとてもなることでしょう。 さらに、婚姻を禁止されている近親者間における性交若しくは性交 類似行為も規制対象となっています。これは単なる近親相姦描写の事を指すだけでなく、当然同性同士(婚姻を許されていない)での性交描写も含みます。つまり、結婚を前提としない性関係、同性の性関係を描写した物を規制対象とするという事です。こんなものは思想統制以外のなにものでもありません。一般道徳的に好ましいとされない関係であったとしても、それを理由に法規制される謂れなど無いはずです。 はっきり言います。こんな言語道断な改正案が通ってしまったら、日本の創作物は全て終わりです。 東京都の条例ではありますが、出版業界が東京に集中している事から影響が全国に波及するのは明らかです。東京都で成立したのなら、自分の所でもという輩も多数出て来る事でしょう。そうなれば、全ての表現は青少年保護という名目の元、お上の機嫌次第で規制される事になります。言論統制……そして戦前の暗黒時代へ逆戻りです。
神奈川県で、青少年育成指針改定素案が公開。青少年を30代未満、場合によっては40歳未満として定義したトンデモ改定案となっておりましたので、反対のパブリックコメントを送っておきました。 以下、送った内容になります。 ・項目等 青少年の定義及びフィルタリングの推進に対する意見 ・意見 私は神奈川県民ではありませんが、かながわ青少年育成指針改定素案の中に問題であると感じる記述があり、このまま改定されてしまうと、他県及び日本全国に多大な悪影響を及ぼしかねない為、意見させて頂きます。 まず、青少年の定義についてです。 かながわ青少年育成指針改定素案における青少年の定義は、「青少年(0歳から30歳未満の者)が対象。ただし、施策によっては、40歳未満までの者も対象とします。」となっています。これは通常、青少年という言葉が指す定義とは著しく乖離しています。国語辞典等で青少年という語句の意味を調べてみれば分かりますが、青少年とは青年と少年の意味であり、通常は10代から20代を指す言葉です。一般的な認識であれば、25歳程度までが定義に含まれる年齢の上限であり、いかなる場合であっても30歳を越える者がその範囲に入る事はありえません。 仮に、30代も対象に含む必要があるのであれば、青少年と明記せずに、初めから年齢によって対象を指定すれば良いはずです。実際の定義とかけ離れた意味で青少年と明記するのは、多大な誤解を生む可能性があり、即刻訂正するべきであると考えます。 また、改定素案の内容を見ると、親の保護下にある年齢を対象とするような施策ばかりであり、大人を対象とする必要性を感じません。また、自己決定の自由があり、社会的責任もある大人に対して、子供と同じような規制を強いる事は、その権利を不当に制限するものであり、人権侵害であると考えます。 次に、フィルタリングの推進についてです。 改定素案の中では、フィルタリングについて「有害サイトへのアクセス制限サービス」と記述されていますが、その「有害」かどうかの判断はどのようになされるおつもりでしょうか? いわゆる3号ポルノの規定が「性欲を興奮させ又は刺激するもの」と曖昧な定義となっている事からも分かるように、特定のサイトが「有害」であるかどうかはそれを判断する人間によって大きく異なるものです。このような状況の中で、ある特定の団体や委員会等がフィルタリングの対象とするサイトを選定した場合、特定の嗜好や性癖、宗教や思想を弾圧する危険性があります。 さらに、昨今フィルタリングを導入した国が散見されますが、それらの国々の犯罪率の推移を見る限り、フィルタリングによる犯罪率の低下は認めれません。それどころか、抑圧され衝動の捌け口を失った為と思われる犯罪率の増加が認められる場合すらあります。 これらの事から、フィルタリングを実施した場合のメリット・デメリットを勘案した場合、確実にデメリットの方が大きく、神奈川県民の人権を侵害するものであるため、フィルタリングの推進は実施するべきではないと考えます。 かながわ青少年育成指針が、パブリックコメントを初めとした様々な意見を元に、正しく青少年を導くものに修正されることを祈っております。 (引用終了) 正気の沙汰とは思えない、トンデモ改定案となっておりますので、ご意見のある方はぜひパブリックコメントを送ってみて下さい。 送信先は、 コチラ。 フォームメール様式という所から送れます。入力ページを開いてから60分以上経過すると、送信ボタンを押しても上手く送れないようですのでご注意下さい。
第3次横浜市男女共同参画行動計画【素案】に対するパブリックコメント募集締切が9/20までと迫っておりましたので、送ってきました。 以下、送った文面になります。 横浜市市民局男女共同参画推進課 担当者様 私は横浜市市民ではありませんが、第3次横浜市男女共同参画行動計画素案の中に、どうしても看過できない記述がありましたので意見させて頂きます。 以下、パブリックコメントの送付要項1~3の記述になります。 1 【素案】などへのご意見 意見対象の項目:取得目標4 「アダルト向けのDVD・ビデオやゲーム等で、女性の性が商品化され、人権が侵害されていると思う人の割合」の目標値を50%としていますが、この姿勢は男女共同参画の目的に反していると思います。 男女共同参画の目的である女性の人権侵害の防止を行えば、人権侵害されていると思う人の割合は低下するはずであり、行動指針と目標とする方向が逆行しています。 人権侵害されていると思う人の割合を増やす事を目標とするという事は、人権侵害等の事例を周知する事により、実態と乖離した被害意識を植え付ける事を目的としていると誤解されても仕方ないと思います。 昨今、強姦被害者数等が低下傾向にあるにも関わらず、事実に反して状態が悪化しているような印象をもたせる偏向報道が散見されます。 もしこのまま人権侵害されていると思う人の割合を上げる事を目標とするのであれば、それら偏向報道と同様な姿勢であると判断せざるを得ません。 そもそも、女性の性が商品化される事が人権侵害になるという前提条件が間違っていると思います。 本人の意志に反する場合は、人権侵害になると思いますが、アダルト向けのDVD・ビデオ等に出演されている方の殆どは、出演する対価として金銭を受け取っており、自ら自分の性を商品化する事を肯定しています。 これを、第三者が勝手に人権侵害であるとする事は、出演者の行動、職業等を否定する事であり、それこそ人権侵害です。 また、ゲーム等の登場人物は実在しない想像の産物であるため、当然人権が存在するわけもなく、そもそも人権侵害にあたりません。 自分の意見としては以上になります。 どうか、男女共同参画の本来の目的に即した目標設定へと修正されますようお願い致します。 2 あなたが、家庭、職場、学校、地域などで行っている、または、行うことができそうな男女共同参画の実践例を記入してください。 ・育児休暇等で長期間休まれる方のフォロー ・家庭内暴力等の事実を確認した場合の通報 文面の引用はここまでです。 3番の項目は個人情報なので、省略しました。
表題のパブリックコメントの募集期限が今日までという事で、急ぎ電子メールにて意見を送りました。 以下、送った文面です。 京都府府民生活部青少年課指導担当様 私は、京都府民ではありませんが、京都府で「青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例(案)」のような条令が制定される事によって、日本全国に悪影響が出ると考えますので意見させて頂きます。 私は、フィルタリングの一方的な導入に対しては反対です。 その理由は以下の5点です。 1.フィルタリングの詳細を議論しないまま、導入のみを先に決めるのは議論の順序がおかしい。 2.フィルタリングは、使用法によっては表現の自由を著しく制限するものであるにも関わらず、その危険性に対しての議論、対策の立案が十分になされていない。 3.フィルタリングの対象となるかどうかの基準を設定する団体、企業等の中立・公平性が担保出来無い為に、思想の偏向等が行なわれる恐れがある。 4.フィルタリングによって特定の情報を遮断、無菌的な環境にする事が青少年を健全に育成する事になるとは思えない。有害な情報から隔離するのではなく、それらに対してどう対処するべきか教育する事が優先されるべき。 5.自サイト等がフィルタリングの対象になった場合に、その理由の説明、解除の請求、賠償請求の方法等の当然議論されるべき事が不足している。市民の権利を制限する条令を制定しようというのなら必要不可欠な項目のはず。 昨今、市民の意見を汲み上げたという体裁をアピールする為だけにパブリックコメントを募集し、その大多数が反対意見であったにも関わらず、なんら正当な理由を示す事なく、規制に踏み切る横暴な行政を行っている自治体が散見されますが 京都府がそのような態度を取る事は無いと信じております。 どうか、民意を正しく把握し、真に市民の為になる行政を行う事を期待します。 氏名 住所 電話番号 京都府がパブリックコメントの意見に耳を傾けて、暴走を止める事を切に願います。
「第3次男女共同参画基本計画策定に当たっての基本的な考え方」についてパブリックコメントを募集しているという事で、提案を送りました。 以下、送った提案全文です。 43ページ、(2)具体的な取組、まる3)に関して 性・暴力表現について、バーチャルな分野を含めて対策の在り方を検討するとありますが、そのような事をしても男女共同参画の主旨にそう成果が得られるとは思えません。 バーチャルな分野、つまり漫画やアニメ、文中にもあるパソコンゲーム等の表現物によって、児童ポルノ、児童買春の根絶が阻害される事は有り得ません。よって、規制する意味もありません。 むしろ、それらを規制する事によって、実在の児童に向く事なく解消されていた性衝動が蓄積され、本来であれば起こりえなかった事案が発生する可能性が高いと考えます。 45ページ、(1)施策の基本的方向に関して パソコンゲーム等バーチャルな分野においても、国際的に重大な懸念が表明されるコンテンツの流通が現実問題となっているとあります。おそらくこれは「レイプレイ」の事を指していると思われますが、この作品に対して起こった批判はまったくの的外れと言わざるをえません。 「レイプレイ」は、日本国内の18歳以上を対象として販売されました。日本国内では、当然18歳未満購入禁止、国外販売も行っていませんでしたが、問題となった事案では、Amazonマーケットプレイスを通じた個人間で取引が行なわれました。このような背景があるにも関わらず、「このようなゲームが子供でも買えるのはおかしい」というような批判がされました。 国際的な批判と言いますが、このような問題のある批判に対しては、毅然とした態度で抗議するべきであり、その批判を元に対策を講じる必要はまったくありません。 45ページ、(2)具体的な取組、まる2)に関して 性・暴力表現が人々の心理・行動に与える影響についての調査方法を検討するとあります。 そのような調査を行なおうとする方針そのものには賛同します。ただ、くれぐれも結論ありきの偏向的な調査、選択肢の偏ったアンケート、心理学的な誘導を含むアンケート、個室での対面調査等を調査方法として採用されませんようお願いします。 調査を行うのであれば、アンケートの選択肢ひとつに至るまで完全に情報公開した厳正で誠実な調査を実施するべきです。 45ページ、(2)具体的な取組、まる3)に関して インターネット上の児童ポルノ画像や盗撮画像等の流通防止という方針自体には賛同します。 ただ、ブロッキングという方法は採用するべきではありません。 ブロッキングという方法では、不必要な物まで遮断してしまうオーバーブロッキングの問題が発生します。 また、厳正な運用を行うのであれば、一つ一つのサイトを確認してアドレスリストを作成する必要がありますが、インターネット上には無数のサイトが存在する以上、現実的ではありません。 簡単に発見出来る軽度な問題を含むサイトばかりが規制され、本当に規制しなければならないサイトの方がアドレスリストに登録されないといった事態になると考えられます。 さらに、昨今のブロッキング運用に関する報道等を見る限り、児童ポルノに該当しない物であったにも関わらず、誤って規制されてしまった場合の補償、規制の解除手続き等、必要不可欠な項目に対して議論が不十分です。 このような状況で、場当たり的に実施し始めるべきではありません。 45ページ、(2)具体的な取組、まる4)に関して 自主規制等の取組の促進、流通、閲覧等に関する対策の在り方の検討とありますが、自主規制、流通、閲覧等に関する規制のいずれも現行の物で十分です。 現在でも、各業界団体による自主規制や、ゾーニングによる青少年の閲覧防止等、十分な施策が行なわれており、これ以上の規制強化は、コンテンツ産業の衰退をもたらす結果にしか成り得ません。 以上、第3次男女共同参画基本計画策定に当たっての提案です。 男女共同参画局の皆様が、これらの提案を十分ご検討の上、真に正しい選択をされる事を望みます。 長文打つの疲れましたorz 基本的な考え方の文章を読むだけでも、表現規制したいという欲望が透けて見える内容でしたので、これはぜひとも反対意見を送らないといけないと思います。 パブリックコメントを募集するだけ募集して、また公表されないという事になるかもれませんが、それならそれで、都条令の時のように、情報開示請求に応じない姿勢はおかしいという批判が出来るわけで、意味はあると思います。
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